考え続けることを諦めない、やめない

最近の性的スキャンダルを見ていると、なんで? Why? と思うことが多く、人と意見が違ったりして、正直誰かとその話をあんまりしたくない…って感じの毎日なのですが、でも考えることをやめるのも違うな、と思っており。

そんな私と対話してくれる本が、うちの積読コーナーにいました。

元モデルの社会学者アシュリー・ミアーズが、VIPラウンジのあまりに馬鹿げた額の消費、そこにいる美しい女性(本書ではgirlと呼ばれる)たちとの関係性を分析した『VIP グローバル・パーティーサーキットの社会学』。

なぜ、毎夜億万長者たちはクラブでシャンパンを開けまくるのか、なぜそのテーブルにモデルの美女たちが何人もいるのか、その美女たちは何を目的に集うのか……

ここからは個人の感想。
ナイトライフの実態を克明に記した調査結果を読んで、どの国でも世界でも変わらない作られた夜の世界に、資本主義国の虚しさを感じずにはいられないのが本音。

話の物語はNYなので、億万長者たちが望むgirlたちはモデルで12cmのプラットフォームヒールを履いて180cm以上の白人。

誰もが振り返るgirlたちは、自然にVIPクラブにいるわけではなく、プロモーターいわゆるガーシー的な男がいて、プロモーターが汗水垂らしてgirlをハントし、一大美女グループを作り、クラブに連れていき、クラブから見返りをもらい、プロモーターは世界のVIPと繋がれる。girlたちは無料でラグジュアリーな世界と繋がれる…というカラクリなのだけど、キャバクラじゃん。と思ったり。

VIPクラブに来た男たちは、girlと長く喋りたい、誰もが見惚れるgirlと騒げる俺たちに注目してほしくて、シャンパンをどんどん開けて、信じられない額のお金が泡のように消えていく。

本の中で、フランスの社会学者エミール・デュルケームが述べる濃密な社会的体験「集団的沸騰」に通じるものがあり、これは宗教の根本的な始まりにも通じ、ナイトクラブは意図的に「集団的沸騰」を作り(これは本の冒頭でVIPクラブの仕組みをレポートしている)、シャンパンを何本も開けるムードを作り毎夜熱狂を駆り立てるのでは(意訳)と書かれていたり、

文化人類学者ゲイル・ルービンのエッセイ「女性の売買」にて、男性の権力の核心には女性があり、嫁として女性を他の男性に与える。女性は男性の権力を運ぶパイプであり、女性の美は男性優位の社会で見返りをもたらす。(意訳)

など、正直ゲロ〜ということが書かれていたが、ホモソ的コミュニケーションになぜ女性が必要なのか、なんとなくぼんやり思っていたことが言語化されていたのはありがたかった。

プロモーターもgirlもVIPに好かれたくて、何かを求めて、この刺激的で享楽的なナイトライフを過ごしているんだけど、自然発生的な楽しさを演出するためにある種の労働をしているのだけど。

この本4,000円もするし、ページ数も多いし、この長文を読んでこの本を読んでくれる人は1人もいないと思うけど、結びはご想像通りかと。

この本を読んで、何か納得するような結論も出てないし、未だにモヤつきあげております。
だけど、やはり考え続けることを諦めない、やめない、ってことだけは確固たるものになりました。

さらに、本を買うこともやめない。
この本、3年前に買って、いつ読もっかな〜ってずっと寝かせてたんだけど。
絶対今じゃん、今!!!!ってあわあわしながら読み始めました。

本は時折、最良のタイミングで私の元にやってくることがあり、いろんなエンタメが好きだけど、血が沸騰するような興奮と感動はやっぱり本が1番なんだよな、と改めて。積ん読は悪ではない。